発達障害の子どもが大人になったとき、双極性障害になることがある?親が知っておきたいこと

「うちの子、気分の波が激しいな」

子育ての中でそう感じたことはありませんか?

発達障害のある子どもは、大人になってから気分の波が極端に大きくなる「双極性障害」を発症することがあります。
うつ病と並んで、発達障害の二次障害として知っておきたい病気のひとつです。

前の記事では発達障害とうつ病の関係について解説しています。

目次

双極性障害とは

双極性障害とは、「躁状態」と「うつ状態」のエピソードが反復するもので、気分の波動が非常に大きな精神疾患の一つです。
以前は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、二つの極端な状態をいったりきたりするという特徴があるため「双極性障害」と呼ばれています。

双極性障害とうつ病は両者とも気分の障害を引き起こす疾患ですが、その症状や特徴にはいくつかの違いがあります。

うつ病との違い
うつ病双極性障害
気分の状態抑うつ状態が続く躁状態とうつ状態を繰り返す
躁状態なしあり(激しい or 軽い)
注意点抗うつ薬が有効なことが多いうつ病の薬とは異なる治療が必要

「うつ病だと思っていたら調子が良くなり活発になってきた」というときには、双極性障害の可能性があります。
うつ病と双極性障害では治療法が異なるため、専門医への相談が重要です。

発達障害と双極性障害の関係

発達障害のある人は、環境へのストレスや人間関係の困難さを抱えやすく、二次障害として双極性障害を発症することがあります。

特に注意したいのが、発達障害の特性と双極性障害の症状が似ていることです。

  • 衝動的な行動・感情のコントロールが難しい
  • 気分の波が激しい
  • 睡眠リズムが乱れやすい
  • 人間関係でトラブルが起きやすい

これらは発達障害の特性としても現れますが、双極性障害の症状としても現れます。
そのため発見が遅れやすく、大人になってから診断が降りることが多いんです。

双極性障害の種類と特性

双極性障害には、主に双極性障害I型と双極性障害II型の二つのタイプがあります。

双極性障害I型双極性障害II型
躁状態激しい躁状態がある軽い躁状態(軽躁)
特徴社会生活に大きな支障が出やすい「完治した」と勘違いしやすく治療中断が多い
注意点入院が必要になることも軽いからといって油断は禁物

II型は「軽い」と思われがちですが、軽躁状態のときに服薬をやめてしまうなど治療が中断されやすく、再発しやすいという特徴があります。

躁状態・うつ状態のサインを知っておく

親として、子どもの変化に気づいてあげるために、それぞれの状態のサインを知っておきましょう。

I型、II型ともに共通するのは、極端な気分の変動が一定時間以上続くことです。
一般的には、躁状態よりもうつ状態のほうが長く続く傾向があります。

軽い躁状態が数日間、躁状態が1週間以上。
うつ状態は2週間以上続きます。

躁状態のサイン
  • 異常に元気でテンションが高い
  • ほとんど眠らずに活動し続ける
  • お金を使いすぎる・衝動買いが増えた
  • 自信過剰になって無謀な計画を立てる
  • 怒りっぽくなってトラブルが増えた

躁状態は本人には「調子がいい」「回復した」と感じられやすいため、治療を中断してしまうことがあります。

家族が気づいてあげることがとても重要です。

抑うつ状態のサイン
  • 連絡が途絶えた・引きこもりがちになった
  • 「疲れた」「もう無理」という言葉が増えた
  • 仕事を急に辞めた・辞めたいと言い出した
  • 昼夜逆転している
  • 食欲がない・体重が急に変わった

うつ病の症状と非常に似ています。

双極性障害の原因と要因

双極性障害の原因は一つではありません。

遺伝的要素、脳機能や脳構造の変化、ホルモンの異常、環境要素など、さまざまな要素が組み合わさって発症すると考えられています。
例えば、親や兄弟や親戚などが双極性障害の場合、ストレスに対する敏感さなど遺伝的な側面もみられるとされています。

また、体内で作られるセロトニンなどの精神伝達物質が正常に調節されていなかったり、ストレスなどの負荷がかかった後に発症することもありますが、因果関係は証明されていません。

ストレスが原因となるような心の病気ではなく、精神疾患の中でも身体的な側面が強い病気とされています。

治療について知っておくこと

双極性障害は、症状がある時期をエピソードといい、ほとんどない時期を寛解期と呼びます。
生涯に数回しかエピソードが見られなかったり、年4回以上のエピソードが見られたりと人により大きくばらつきがあります。

症状の形状や病態が異なるため、一人ひとりに合った治療が必要となります。

双極性障害の治療法

双極性障害の治療方法には大きく分けて、薬物治療と心理社会的治療があります。

まず、薬物治療とは主に気分安定薬を用いる方法です。
この薬は、極端な気分の上下を抑制し、患者が日常生活を落ち着いて過ごせるようにする役割があります。

双極性障害のうつ状態に対して使う薬は、うつ病の時に使う薬とは異なります。

気分安定薬

双極性障害治療の基本となります。

非定型抗精神病薬

神経伝達物質(ドーパミンなど)を遮断し、統合失調症の治療などにも用いられます。内服薬の他に注射などもあります。


薬物療法に加えて、カウンセリングや認知行動療法などが治療を進める上で役立ちます。
双極性障害について本人が自覚し、受け入れ自らコントロールしていくことを援助する心理社会的治療も行われます。

発達障害のある人が双極性障害になった場合は、発達障害の特性を理解した医療機関での治療が重要です。

親としてできること

双極性障害は、躁状態のときに本人が「治った」と感じて治療をやめてしまうことが多い病気です。
そのとき、そばにいて「ちょっと待って」と言える人がいるかどうかが、回復の大きな分岐点になります。

発達障害のある方の居住支援に関わる中で感じるのは、困ったときに頼れる大人が誰もいないまま社会に放り出されてしまうと、回復がとても大変になるということです。

完璧な親でなくていい。
ただ、つながり続けること。それだけで子どもの未来は大きく変わります。

一人で抱え込まず、まず誰かに話してみてください。
みんなのあしあとのインタビューには、同じ道を歩んできた親御さんたちの経験が詰まっています。

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子育ての悩み、一人で抱え込まないで

この記事を書いた人

みんなのあしあと管理人のアバター みんなのあしあと管理人 soratobunezumi合同会社 / みんなのあしあと編集部

soratobunezumi合同会社のCSR活動の一環として、
「みんなのあしあと」を運営しています。

「この子は普通の子と違う」そんな場面に直面したとき、
悲しい思いをしないでいいように。
主に発達障害を抱えて大人になった子ども達が、
地域の中で自分らしく生きていけるよう、
情報発信とピアサポートを続けています。

困ったときに頼れる場所が、あなたの近くにありますように。